江戸城天守閣の上塗りの白土が、毎年剥がれて見苦しいため、
そのたびに念入りに上塗りをしていたが、
風雨が強かったためかえって白土が全て剥がれてしまった。
どうしたらよかろうと御老中が議論していたところ、小堀遠州が登城してきたため、
御老中は、
「遠州は数寄の人であるので、天守閣の白土が落ちない工夫はないだろうか?」
と相談した。
遠州が答えていうには、
「上塗り程度であれば、ほどなく落ちるでしょう。
天守の壁を、下地の時点で白く塗り上げて仕舞えば、
風雨が強くて上塗りが少々落ちようとも、
見苦しいことはないでしょう。」
御老中は手を打って、
「なるほど、もっとも至極です。」
とて、そのようにしたということだ。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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