適任だと思う者を☆ | げむおた街道をゆく

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板倉勝重は、長く京都所司代を務めて老齢になったので、辞任を決意した。
将軍秀忠は、

「お前に代わる者などいない。」

と引き止めるが、勝重の意志は堅い。

 

そこで秀忠は、

「ならばお前が適任だと思う者を指名してくれ。」
と勝重に言った。

勝重は、

「私は長く京におりましたので、

江戸にどのような方がいらっしゃるのか存じません。

江戸には優秀な方々が多くおられると思います。

ですが、もし名をあげろと仰せでしたら、僭越ながら我が子・重宗を推挙いたします。
かの者の冷静さならば、父の役目を引き継げましょう。」

と述べた。

 

そこで秀忠は重宗に後任を命じたのだが、重宗も父と同じで頑固なのか、

自信のなさから後任を何度も断った。

しかし秀忠が、「子を知るは父にしかず。」と諭すので、渋々ながらついに役職を引き受けた。

所司代を受けた重宗は父に、

「私には所司代なんて無理ですよ。それなのに私を推薦なさるなんて…。

私はあなたが恨めしいです。」

と文句を言った。
 

これに勝重は、

「ハハハ、『爆火を子に払う』ということじゃよ。」

と答えた。

その後、勝重は息子に国光の刀を与えて、

「人を切るのも、人に切られるのも、
身を守るのも、人の身を守るのも、すべて刀の徳じゃ。

されど、この刀を狂人に与えても、刀に代わるとはありえない。

おぬしはそれをよく知り、
この刀を狂人に渡さぬ心構えで政事を裁くのじゃ。」

と重宗に言った。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 京都町奉行、板倉勝重

 

 

 

ごきげんよう!