竹馬の友☆ | げむおた街道をゆく

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関が原の合戦で、西軍は崩壊した。

 

この時、奉行衆の一人・長束正家は、退却の途中、東軍である山岡景友の軍に遭遇し、
小勢の山岡に散々に打ち払われるなどの醜態を見せたが、
家臣の松田秀宣に助けられ、どうにか居城である水口城に逃げ帰ることが出来た。

 

しかし当然ここにも東軍の追っ手が迫る。
この水口城を担当したのは、池田輝政、長吉兄弟らであった。

池田たちは水口城を攻め立てたが、この城守りの固い要害で、

兵も兵糧、武器も豊富であり、
なかなか簡単には落ちそうも無い。

そこで輝政は、一案を思いつき弟・長吉を水口城に派遣した。

長吉は正家に対面すると、言う。
「正家殿、あなたと我が兄・輝政はお互い幼い時より友達づきあいをしていた、

まさに竹馬の友ではあります。
それ故に輝政はあなたと争うことを嫌い、私をここに遣わしました。
率直にお聞きいたします。

あなたは今、誰を頼みとして籠城なさっているのでしょうか?
もはや西軍は崩壊いたしました。

願わくば速やかにこの城を、我らにお引渡しして頂き、
徳川殿に降参して頂きたいのです。
その折には我ら兄弟が揃って徳川殿に取り繕い、あなたの罪を許してもらい、

所領安堵もして頂けるよう働きかけましょう。
ですが、この事を承諾していただけないと言うのならしかたありません。

我らは城に押し寄せ、
貴方がたと一戦に及びましょう。」

これに正家も長束家の家中も、先に山岡軍に打ち負けたことも有り気弱になっており、

また先の展望も無いまま籠城するのはやはり無謀であるとも思い、

長吉の言葉に従い開城することにした。

すべて罠であったにもかかわらず。

正家が長吉に連れられ輝政の元に到着すると、その場でたちまち捕縛された。
同時刻、城に入った池田の兵により、

長束家の重臣である嶺三郎兵衛、家所帯刀、伏兎彦之丞以下6人も、
ことごとく召し捕られた。

正家はほぞを噛んだが、もはや後の祭りである。

『竹馬の友』

池田輝政は、そう表現した長束正家およびその重臣を、近江日野にて速やかに切腹させ、
その首を京に送った。

ちなみに水口城に残された豊富な物資などの財産はすべて、

池田長吉が奪い取ったそうである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 太閤検地の実施、長束正家

 

 

 

ごきげんよう!