水庵翁と風呂屋☆ | げむおた街道をゆく

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京にある、その風呂屋の横には、汗をかき過ぎた客が使えるように、

いつも竿に湯帷子や真新しい下帯がかかっていた。

風呂焚きとして二人、垢掻きとして別に二、三人の下男を雇っており、

その他に上がり口に屈強な男を一人置き、
他の下男は脱衣所には入れないようにしていた。

 

そのため客は安心して裸になり、衣服・荷物を預けて風呂を楽しんだ。

この風呂屋の主人・水庵老人の所には、毎日のように訪ねて来る者があったので、

老人は毎日決まった時間に、訪問客のみならず、客の使用人にも食事を振舞った。

訪問客は、おかげでゆっくりと心行くまで老人との会話に興じた。

また老人は、自分はコタツが嫌いだったが、

「顔を突き合せねば、話も弾まぬ。」

として、炭の火をごく弱くして、
置ゴタツを作らせ、

来客同士が遠慮せず近寄って会話できるようにしたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 侍大将の胸毛・異聞、渡辺勘兵衛

 

 

 

ごきげんよう!