”みつめの法”☆ | げむおた街道をゆく

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井伊直孝の邸宅に、人が集まり物語などしていた時、

彼らが、

「この頃、世に、”みつめの法”(呪いの一種らしい)という物があり、

人々が、これを習っている。」

という事を語りだし、

「刀も要らずに人を捕え殺すとは、稀有の重宝である。

人々がこれを習い行うのも余儀なき事だ。
私も習おう、人も習おう。」

などと言った。

 

しかし直孝は、これを聞いて、

「歴々たるあなた方に似合わぬ事を物語るものです。」
と、叱責した。

彼らは、
「これほど重宝なことなのに、どうしてそのように言うのか。」
と反論した所、

「まだ合点致しませんか?

人の剛操勇猛と言うものは、互いに剣戟を抜き持って勝負を争い、
勝ちたるを以てその志を定めるのです。

例えば同じ仕物放討であっても、縛めを抜き放った者を仕留めるのと、

抜きはなさぬ者を仕留めるのとでは、甲乙差別の有ることです。
であれば、広い場所で声をかけ、相手に武器を抜き放させて、

その上で心よく仕留めることこそ、
教えもし習いもして、これを以て武勇と致すべきなのです。

あなた方のような歴々の評定は、その様であってこそ然るべきであり、

”みつめの法” などと言うものは、
出家町人のような長袖で、そういった技を知らぬものが、言うべき事なのです。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 井伊の赤牛、井伊直孝

 

 

 

ごきげんよう!