安藤重勝の加増☆ | げむおた街道をゆく

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井伊直孝の家来・安藤重勝は、大坂の夏の陣で、木村重成を討ち取る手柄を立てた。
そこで褒美として五百石を加増された。

 

しかし重勝は、
「敵の一軍の大将を討ち取ったのに、五百石では褒美が少なすぎる!」
と、これが不満で、井伊家を退転し父親のところに戻ってしまった。
 

「父上、井伊様は、敵の大将を討ち取っても、これしか加増を頂けないのです!
あまりにひどいと思いませんか?」

父上、怒ったの何の。

 

勿論息子に対して、である。
「お前は何を言っているのだ。

木村を討ち取った事、これは確かに冥加な事だ。
が、大将たる者が討ち取られる状況とは、既に敗軍となり、

左右の士卒からも離れてしまった場合の時である。

そんなものを討ち取るのに、武辺が優れている必要が有ると思うか?

大体、若いお前が、そんな敵の大将から士卒が離れるような状況になるまで、
一体何をしていたのだ!

もしかしてお前…そう言う状況になるまで、
サボっていたのではないだろうな!
そこを考えれば、井伊様がお前にしていただいた加増は、

近頃でも真に結構なものであろう!」

簡単に言えば、

「うぬぼれるな!」

と、叱り飛ばした。

 

そして重勝を、井伊家に叩き返したとのことである。
木村重成を討ち取ったほどの勇者も、戦国たたき上げの親父様には弱いのだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 井伊の赤牛、井伊直孝

 

 

 

ごきげんよう!