軍陣の作法を、心得ておるわ☆ | げむおた街道をゆく

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大坂夏の陣の折、徳川家康と秀忠の両御所は、伏見城の舟入の櫓に渡御して、
軍の進む様子を見ていた。

この時、井伊直孝の旗奉行である孕石豊後と広瀬左馬助の二人は、

城下にて幟旗を伏せて通るので、直孝は般若野宮内に命じて、

「両御所が御覧になっておられるのに、何故旗を伏せるのか。早く旗を立てよ。」

と伝えさせたが、両人は、
「旗のことは、奉行にお任せください。」

と言って聞かず、直孝が馬場藤左衛門に催促させても、二人は聞き入れなかった。

やがて二人は肥後橋を通過し、城から遠く離れて初めて旗を立てた。
これは主将が渡御した城へ旗を向けることを憚った故に、

旗を隠していたのである。

家康はこれに感心して秀忠に向かい、

「この城に旗先を向けることを憚り、
今になって旗を押し立てるとは、

直孝のもとには、信玄の家風に慣れた古兵が多いだけあって、

軍陣の作法を心得ておるわ。」

と賞賛したということである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 井伊の赤牛、井伊直孝

 

 

 

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