滅びの兆し☆ | げむおた街道をゆく

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かって小田原攻めの際、三河武士の大久保忠教たちから、糠味噌汁を振舞われ、

溜り醤油を足して味を調えれば味良くならんと言って、吊し上げを食らった井伊直政。

 

その息子、夜叉掃門こと井伊直孝が、上野白井藩1万石の大名だった時、

二代将軍・秀忠の使いとして、江戸から駿府に使いして大御所に拝謁し、

一連の報告を終えたあと、大御所が尋ねた。
 

「何か面白き話でもあるか?」
「面白き話かどうかはともかく、近頃の小田原では、大豆の味噌汁が流行っております。」
「ふむ・・・・・・大豆の味噌汁か。他には。」
「城下の米が、白くなりました。」
「他には。」
「鯛の鱠と上方からのたまり醤油も、もてはやされておりました。」
「あいわかった。掃門、赤鰯に黒飯を忘れるなよ。」
 

そういうと大御所は、井伊直孝との会見を終えた。
 

大久保忠隣没落の数年前の話である。
 

後年、井伊直孝は、

「上に立つ者の心得は、兆しを捉えるの一事に尽きる。

糠味噌が大豆味噌に変わり、黒飯が白飯に、赤鰯が鯛の鱠に変わりしことに、

気づかぬようでは、家すら治められぬ。ましてや天下をや。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 井伊の赤牛、井伊直孝

 

 

 

ごきげんよう!