倹約☆ | げむおた街道をゆく

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井伊直孝が、始めて彦根に入った時、まず彼が命じたのは、倹約の徹底であった。
 

手始めとして家臣一同、絹の着用が禁止され、みな木綿の羽織を着るようになった。
「よし、これを城下にも徹底させよ。」

さっそく城の堀沿いに、派手な着物を禁ずる高札が立てられた。
しかし、もと石田三成の領地であった反抗心か、大都会・京に近い土地柄か、
城下の風紀はいっこうに改善されなかった。

「ならば、高札を次のように変えよ。」

直孝の命により、新しい高札が立てられた。
『 衣服を改めない者は、自分に泥を塗ることになる 』

「ケッ! 恥をかくのを怖がって、男伊達が通るもんけぇ!」
なおも意地を張って、派手なナリで歩くかぶき者の元に、目付たちが駆けつけた。

「おっ、なんでぇなんでぇ! さぁ、捕まえるなら、さっさとやりな!」
目付たちは、かぶき者を捕らえなかった。

その代わり、桶いっぱいのドブの泥を、かぶき者の着物に塗りたくった。

以後、城下の者も、派手な着物を着て出歩くことは無くなった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 井伊の赤牛、井伊直孝

 

 

 

ごきげんよう!