秀吉が、秀次を憎んだ理由☆ | げむおた街道をゆく

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ある時の事、聚楽第の奥で大切に飼われていた猿が、

どういうことか檻を抜け出し、たまたま近くを通りかかった、

秀次の愛妾の一人を、後ろから襲った。

この人は御小督前(おごうのまえ)と言い、

大変な美女であったがそれだけではなく、武芸にも優れ、
男にも勝る胆力を持つと、もっぱらの噂であった。
 

この時も、彼女は少しも騒がず、後ろから抱きついてきた猿の肘を締めると、

その痛さに猿は気を失い、
御小督前はそのままその場を逃れた。

少しして肘を痛め失神した猿が見つかり、その事が秀次に報告された。

 

大切にしている猿である、
何者の仕業かとすぐに取調べが行われたが、御小督前が「わたくしです」と申し出、

これこれと理由を語った。
 

それが嘘かまことか、彼女の前に件の猿を連れてくると、

御小督前を見たとたんおびえ恐れた。
これにて偽りなしとわかり、御小督前は許され、

このことは聚楽第での大きな話題となった。



そしてそれは、秀吉の耳にも入った。

「関白は、猿を飼って、女どもに、なぶりものにさせておるのか…。」

もちろんゆがんだ形で。

「これはわしの幼名が猿ゆえ、わしをなぞらえての事であろう…。
わしを女にいたぶらせて喜んでいるとは…おのれ秀次!」

後に秀吉が三条川原で秀次の妻子、子女まで三十余人を斬首したのは、

この一件以降、
秀次のみならす、その女中たちまで、深く憎んだ事によるそうだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 殺生関白、豊臣秀次

 

 

 

ごきげんよう!