美濃斎藤家の重臣として名を馳せた日根野弘就という武将が居た。
彼は斎藤家滅亡後も、信長には降らず彷徨っていた。
弘就、
「次の仕官先を探さねばなぁ・・・織田家以外で。」
意地でも織田家以外で、仕官先を探す弘就一族。
そんな彼らは東へと向かっていた。
そうして選んだ仕官先とは・・・。
今川家。
よりによって武田信玄にボロボロにされ、
徳川家に今まさに滅ぼされようとしている今川家であった。
雇われた弘就は禄は美濃時代とは比べ物にならないぐらい減ってしまったが、
それでも一廉の武将である。
金丸砦の戦いでは徳川家の久野宗信を敗走させ、救援に現れた小笠原氏興も破り、
更に救援に現れた岡崎衆をも敗走させるなど、将才を見せ付けた。
しかしながら一つの局地戦で勝ったところで戦局が覆るわけでもない。
弘就、
「ああ、もうだめねこの家。」
すごく今更ではあるが今川家の限界を悟った弘就一族は、
掛川落城前に静かに去っていった。
新たな仕官先を求めて・・・。
弘就、
「次は・・・そうだな。近江の浅井家なんていいかな。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!