川中島の森忠政は、真田昌幸への監視の役目を受け持っていた。
これに昌幸は、忠政領内の葛尾城に夜襲を仕掛けると言う挙に出、
葛尾城は、二の丸まで攻め込まれ、落城こそしなかったものの、大損害を受けた。
当時、葛尾城を任されていたのは井戸宇右衛門であったが、
この時、折り悪く本城の川中島に有り、
この有事に間に合わず、また、戦後の詮議で、宇右衛門の家来二人が、
知行が少ないことに不満を持って、敵を引き入れたことがわかる。
当時、森家の内外を一手に任されていたのは、名古屋九右衛門であった。
彼はかねてよりこの井戸宇右衛門と仲が悪かったが、
この時も名古屋は、みなの面前で、
井戸を「油断者!」と罵り、二人の関係はさらに悪化した。
このような事もあり、森忠政は、井戸を「奉公振り宜しからず。」とし、
成敗する事を決意。
この時、名古屋が「彼を成敗するならば私にお命じを。」と望んだ。
結果、二人共に、切り死にすることとなる。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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