初代白河藩主・丹羽長重は、白河藩主として赴任した後、
幕命で白河小峰城の改修を始めたものの、
ある一角の石垣だけが何度工事しても崩れてしまう。
工事が進まず困った作事奉行の和知平左衛門は合議の末に人柱を立てる事に決め、
身分の上下老若男女問わず、次に城門の前に現れた者を人柱とする事に定め、
城門に訪れる者を皆で待つ事にした。
すると、1人の娘が城門に近づいて来るのが見えた。
何とそれは当の作事奉行・和知平左衛門の娘「おとめ」であった。
仰天した和知平左衛門は、
「おとめー! 来るな! 来るな!」
と必死に身振り手振りで、娘がこちらに来ない様に合図を送ったが、
父親に会う為に城へと向かっていたおとめは、
父の合図を、早く来いと言う合図と勘違いし、城門へと向かってしまい、
こうして人柱には、おとめがなる事に決まった。
それを告げられたおとめは、驚き逃げ出したが、遂には捕まってしまい人柱とされてしまう。
この後、工事は無事成功したものの、
人柱にされたおとめを哀れんだ人々は、おとめが人柱として埋められた場所に桜を植え、
”おとめ桜”と呼んでその死を悼み供養したと言う。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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