岡部長盛☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。


今川・武田・徳川に仕えた歴戦の武人にして苦労人、岡部正綱が亡くなった。
後継者の長盛は、16歳。
世間は、

「あんなお子様じゃ岡部の家名は荷が重いんじゃないの?」

と笑った。
 

この世評を憂慮した三人の岡部家重臣が集まった。

桜井縫殿助、

「今度の戦では俺たち三人の誰かが討死してみせなければ、

世間の評価は変わらんだろう。
だから俺は討死することに決めたよ。」

大塚八右衛門、

「いや。信玄公にも特別な旗印を許された俺こそが適任だろう。」

剣持次郎右衛門、

「俺だって信玄公からも家康公からも賞せられた男だ。俺が死ねば世間も納得するさ。」

三人とも亡き正綱に長盛を託された男たちである。

忠義も武勇も劣らない。

意地の張り合いで決着がつかない。
最終的に桜井が押し切った。

「この三人なら誰が死んでも世間は納得するだろ。

そもそも俺が言い出したんだからさ。
討死は俺に譲ってくれ。

二人は俺の分も長盛様を頼むよ。」
       
やがて小牧・長久手の合戦にて、宣言どおり桜井討死。
奮起した岡部軍は羽柴秀次軍を痛撃し、その武名を轟かせた。
桜井の死に様と長盛の武功の前に、もう誰も岡部家を侮るものは無かったという。

岡部長盛は以後も武名を上げ「黒鬼」とまで称されていく。
そんな彼の第一歩を飾った忠臣の話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 徳川家臣団

 

 

 

ごきげんよう!