同僚の名和無理之介に☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

永禄十三年(1570)、武田信玄による、駿河花澤城攻めの折のことである。

城攻めの真っ最中に、寄せ手の武田軍・初鹿野伝右衛門が、

ふと、同僚の名和無理之介に、こんなことを言い出した。

初鹿野「なあ、あそこの城の上げ戸、閉まってるだろ?」
名和「ああ?閉まっているな。」
初鹿野「アレ上げてこいよ。」
名和「俺が!?」

しかしその上げ戸のある場所には、城方より激しく矢弾が降り注いでいた。

名和「…ムリムリ。あんな攻撃の激しいところで戸を上げられるものかよ。」
初鹿野「ほう…、無理…だと!」

とたんに初鹿野立ち上がり、ものすごい勢いで城の縁まで駆け寄ると、

その上げ戸を押し上げた!
さらに諏訪越中も初鹿野の後に続き、手に持つ鎌槍にて、

上げ戸をさらに高く押し上げた!
 

もちろん矢弾の雨あられの中を、である。

そうして陣に帰って来ると、

「お前無理って言ったのに、俺達上げちゃったよ。」

と、初鹿野と諏訪。

 

そして、無理之介が具足の上に着ていた、高名な縄の羽織りを無理矢理はぎ取り、

「お主は無理を通すから無理之介と名乗っているはずなのに、
今回”無理”だと言って断ったよな?
よって以後、無理之介と名乗らないように!」

と言って捨てた。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 香車伝右衛門、初鹿野昌次

 

 

 

ごきげんよう!