伝右衛門の旗指物☆ | げむおた街道をゆく

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武田信玄の12人の使番は、

「白地に黒のムカデ」

を旗指物とするきまりで、彼らは、
「ムカデ衆」

と呼ばれた。
 

しかし、ムカデ衆の1人・初鹿野伝右衛門だけは、白地の旗指物を用いていた。
それを見た信玄は、
「ムカデ衆の中で白地の旗を指している奴は誰じゃ?

なに、初鹿野伝右衛門じゃと。

またアイツか。

伝右衛門を呼び出せ!」

とご立腹の様子。
 

「貴様は、ムカデ衆は、”ムカデの旗指物”とする武田家の軍法は知っておろう。
なぜ、軍法違反したのじゃ!」
 

それを聞いた伝右衛門は、
「ちっとも軍法には違反してません。」

と言い旗指物を信玄に見せた。

なるほど、旗指物の隅っこに小さなムカデが描いてある。
 

これを見た信玄は、
「ずいぶん小さいな。なぜ、他のムカデ衆みたく、大きなムカデを描かないのだ?」
 

伝右衛門は、
「他の人と同じムカデを描いたのでは、戦場において、

それがしの手柄が他の人とまぎれてしまいます。

ゆえに、わざと小さなムカデを描きました。」

と平然と答えた。
 

信玄は、それを聞いて大笑いしたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 香車伝右衛門、初鹿野昌次

 

 

 

ごきげんよう!