最上家臣・北楯大学が、大堰を工事していたときの話。
ある日、工事作業員が大騒ぎしているのをききつけ、大学が現場に駆けつけたところ、
金銀のびっしりつまった壷があった。
どうしようかと、とまどう彼らに大学は言った。
「おまえたちの心がけがいいから、こういうこともあるのだな。とっておけ。
そういえばこのあたりの城主が、落城のときに埋蔵金を残したらしいぞ?」
皆は大慌てであたりを掘り進んだところ、次々と埋蔵金が出てくる。
こうした幸運もあってか、工事は予定よりずっと早く終わった。
実はこの壷、偶然ではない。
夜中に大学と家臣たちが、現場にこっそり埋めて、
わざと見つかるようにしていたのだった。
大学の親切心と機転のおはなし。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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