だんごくび☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

永正9年(1512)のこと。

相模の国、相模野の大庭城に、北条早雲率いる軍勢が攻め寄せた。

が、大庭城の周辺は一面の沼地であり、

さすがの早雲も攻略の糸口すら見つけられなかった。

「あの沼地を何とかせねば。どうにか水を引かせることはできないか?」

しかしいたずらに軍議を重ねるだけで、日は過ぎていった。

そうして困り果てていた北条軍のある武将が、

ふと、城の対岸で牡丹餅を売っていた老婆に相談してみると、その老婆。

「そんなの、わけも無い事ですよ。

大庭城は堤を作って城の周囲に水をためているのです。
その堰を切れば、水はたちまち干上がりますよ!」

武将は大いに喜んだ。

が、老婆の口からこの情報が他に漏れるのを恐れ、
その場で切り殺した。

そして早雲の軍はその夜のうちに堤を崩す。

すると城の周囲の水はたちまち引き、
早雲の軍の総攻撃に、さしもの大庭城もついに落城した、とのことである。

さて、殺された哀れな老婆は、土地の人たちに大庭城の近くに葬られ、

そこに地蔵が祭られた。

その地蔵は『船地蔵』と呼ばれ、今も土地の人々に、大切にされている。

そして老婆が牡丹餅を売っていた場所は、

それ以後「だんごくび」と、呼ばれたと言う事である。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 箱根の坂・異聞、北条早雲

 

 

 

ごきげんよう!