あれほどの男を☆ | げむおた街道をゆく

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質実剛健の上杉家の侍ながら、守銭奴と罵られるほど金を貯め、
その金を全て主君景勝に差し出した岡左内。

彼は関ヶ原の後、減封された上杉家から身を引き、牢人となった。

この左内には関ヶ原での武勇から、召抱えを望む大名は多く、

特に、直接に戦った伊達政宗は熱心に誘った。

「三千石でどうか?」

破格の条件である、が、左内は断った。

「わたくしには多少のたくわえもあります。
今後は仕官することなく、悠々自適に暮らしたいと思います。」

この言葉が世間に伝わり、恐慌に陥った家があった。

上杉家である。
上杉家には、ただでさえ左内から借金をしている者が多くあった。

しかも関ヶ原の敗戦による減封、転封で、みな、経済的に苦境に立たされている。

「左内の”たくわえ”とは、われらの借金の事だ。左内が借金を取り立てに来るのだ。」

領内の動揺は大きく、ついに家老・直江兼続が、

直々に左内の元に訪ねて行く事態となった。
 

兼続は、左内に聞いた。

「わが家中の者達の借財を、どのようにするつもりか?」

左内は兼続を、屋敷の庭に案内した。

焚き火が焚かれていた。

「こうします。」

その火の中に、借用書をことごとく、投げ入れた。
また、自分が仕官しなかったことが、上杉家の人々を不安にさせたことを恥じ、

蒲生家への仕官を決めた。

兼続は、

「何故あれほどの男を手放してしまったのだろう。彼のような男こそ、本当に必要なのに。」と、後々まで語ったとか。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 利殖に巧み、岡左内

 

 

 

ごきげんよう!