勇者の思い☆ | げむおた街道をゆく

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関ヶ原の役の時、奥州において、上杉景勝と伊達政宗取合の時分、

景勝勢は、福島より二里出て政宗と戦った。

この時、北川図書という者、元は蒲生氏郷に仕えていたが、

氏郷没後は景勝に属し、
景勝より桑折の地を与えられ、その頃、郡図書と名乗っていた。

図書は、この合戦で討ち死にを覚悟し、朋輩である岡左内に頼んだ。
「私の陣羽織を息子の久兵衛に遺したいので、討ち死にの際には、これを遣わしてほしい。」

左内は受け取り、後に図書の子・久兵衛にこれを渡した。

図書は討ち死にしたのだ。

この事について、後の人は様々に評した。
ある人、
「同じく戦場に臨んで、我も人も必死をこそ旨とすべきなのに、

どうして自分が必ず生き残ると思い、
人の形見を請け取るなど有るべきだろうか?」

これに対して、傍らに居た人が言った。
「そうではない。

互いに言い交わし話し交わした心友の間で、

その人を見込んでこう言っているのに、
請け取らないということが有るだろうか?
自分が必ず生き残るから、受け取って渡す、と言っているのではない。

彼の形見を我が預かり、
我が形見を彼に預けるというのは、

勇者の思いを込めた行為というべきではないだろうか。」

この岡左内という人物は、後に越後と称し、類まれなる勇士で、数度の戦功を成した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 利殖に巧み、岡左内

 

 

 

ごきげんよう!