ある時、徳川頼宣は、父から遠眼鏡を拝領し、
毎日城の天守閣から城下町を覗いて楽しんでいた。
それを知った安藤帯刀は、頼宣から遠眼鏡を奪い、こなごなに砕いた。
びっくりした頼宣が帯刀に、遠眼鏡を破壊した理由を聞くと、
「遠眼鏡は戦場の偵察、自然の景色を楽しむためにあるものです。
しかし、殿は遠眼鏡で毎日城下町をご覧になっておる。
下々の者が殿様に日常を監視されていると思うと、
彼らは息を抜くヒマがありますまい。
彼らもこの帯刀も、酒を飲んでばか騒ぎすることもあります。
名君という者は家来領民のすべてを直視してはならず、
適度に息抜きさせるべきです。」
と答えたと言う。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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