徳川頼宣が若年の頃、自分のわがままで近習を殴り付けた。
それを聞いた守役の安藤帯刀は、
頼宣の膝頭を力いっぱい両手で押さえつけて、
頼宣が過ちを認めるまで諫言した。
頼宣が非を認めると、帯刀はようやく手を離したが、
頼宣の袴は破れ膝頭には黒アザが残った。
頼宣は帯刀が死んでからも、行水の際には黒アザの部分に湯を掛けないようにした。
近習は、「黒アザはまだ痛むのですか?」と聞くと、
頼宣は、
「今日のワシがあるのは帯刀のじいのおかげじゃ。
この黒アザはじいの残した形見ゆえに、
生涯アザが取れないように、わざと湯を掛けないのじゃ。」
と言ったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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