小堀遠州の石灯籠☆ | げむおた街道をゆく

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紀伊大納言・徳川頼宣は、小堀遠州に頼み、石灯籠を造らせて江戸屋敷に置いていた。
二十年を経てこの石灯籠が評判となり時の大老・酒井忠勝が一見したい、

と申し入れてきたため、
喜んだ頼宣は庭師に命じて庭の模様替えを開始、忠勝を招待する準備を進めていた。

ところが。

完成した庭を見ると石灯籠がおかしい。

庭師、

「当世風じゃないから、石灯籠の火袋広げて直しておきました。」
台無しである。
 

普通なら後の祭り、庭師は斬った上で恥を忍んで酒井忠勝にありのままを告げる、

となるところだが頼宣は一味違った。

庭師を大いに叱責はしたが、その後やおら家臣を呼び、

「小堀遠州に頼んだ時に物は二つあるのがよいと思い、

同じものをもう一つ作らせていたのだ。
確か苔をつけた風情のものもよいと思い、

紀州の別邸で雨ざらしとしていたはずだ、あれを取り寄せればよかろう。」

と言いつけ昼夜兼行で取り寄せさせた。

紀州で風雨に打たれていた石灯籠の古色蒼然たる風情は、

江戸にあった物をはるかに凌ぎ、

大老酒井忠勝も絶賛、
頼宣は面目を施し家中の者も主の深慮に感服した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 南龍公、徳川頼宣

 

 

 

ごきげんよう!