頼もしき家来☆ | げむおた街道をゆく

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紀州南龍院・徳川頼宣様は、

ある日、和歌山で御物見に出られ、往来をご覧されたことがあった。
 

御出になられたとも知らずに御家中の者は大勢往来していた中で、
ある御家来が、供侍、草履取り、挟み箱持ち、槍持ちを従えて通りかかった。
 

御側に居た者が、
「あれが、かの噂となっている男か。」
と笑ったのをお聴きになられた。

「どのような噂があるのか?」
と言われたので、御側の者共は、やむを得ず話した。

「かの者は、身の上が苦しいとのことです。

そうなのですが他に取り計らい方もあるでしょうに、
甚だ不束なことをしているのでございます。」

「どのようなことをしているのか?」

「かの者が召し連れています侍は、かの者の次男でございます。
草履取り、挟み箱持ち、槍持ちは、いずれも三男四男、

あるいは世話をしています甥などです。」

「それは頼もしい家来である。

予は大勢召し連れているが、

かの家来に劣らぬ草履取り、槍持ちがいるかというと心もとない。
家計の苦しさは関係のない事だ。」

程なくして、かの者は御取り立てられて、子供も相応の役に付けられたそうだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 南龍公、徳川頼宣

 

 

 

ごきげんよう!