或る年のこと。
紀州大納言・徳川頼宣は、朝顔の花が、午の刻(正午ごろ)まで、
美しく咲いているのを見つけると、
これを母である養珠院の御目にかけようと遣いを出した。
「朝日を待つ間の花と言われていますが、このように盛ん久しく咲いております。」
養珠院はこれへの返答に、
「珍しき槿花の事が書かれていましたが、
花も養い方次第で、このように久しく咲かせることが出来るのなら、
あなたの御身も養生次第で長生あるべき事でしょう。
あなたは若き人ですから、壮年の頃より養生されれば、きっと長命を得るでしょう。
家中を養うのも、花の手置と異なることがあるでしょうか?
ついでながら申し入れました。」
そのように教訓された。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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→ 南龍公、徳川頼宣
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