本多出雲守(忠朝)という人が、四、五年ほど前、
上総国の”おたぎ”という所を知行した。
そこを実地検分し、
「”おたぎ”とは何と書くのか?」
と問うと、里の翁が、
「仔細は知りませんが、昔より”小瀧”と書きます。」
と答えた。
出雲守はこれを聞いて、
「小を捨て大を取ると古人も言っている。
前々はそうであっても、今からは”大瀧”と書くべし!」
と申し付けた。
このため領主の考えに従い、大瀧と書くようになった。
在所の者達も、
「確かに小より大が勝る。」
と言っているとか。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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