本多正純の屋敷で火事がおこった。
だが、家臣たちのがんばりで消火されて、
大事にならずに済んだので、正純は喜んで胸をホッと撫でおろ……さなかった。
喜ばないのを不思議に思った家臣が正純に理由を聞くと、正純はこう答えた。
「大事にならずに済んだのに嬉しくないのですか?」
「私はいつも自分の家臣を頼りにしているが、それはいざというときにこそ、
その命を投げうってほしいからだ。
たかが屋敷のために大事な家臣たちに、
何かあったらと思うと嬉しくない。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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