ある時、作左衛門が領内の検分をしていると、池鯉鮒(ちりふ)という所に瓜畑があり、
見事な瓜が作られていた。
それを見て作左衛門、「これは、誰の畑だ?」と尋ねたところ、
その畑の番をしていた者が、
「殿様の瓜畑です。」
それを聞いた作左衛門、怒ったの何の。
「なんということだ!
三河、駿河、遠江、三ヶ国の太守は、よりにもよって瓜作りになられたのか!
お前たち、よーく聞け!
武士と言うものは知行を頂きこれを管理はするが、
百姓のいたす事を真似はしないものだ!」
そう言うと畑に馬を乗り入れ、瓜を全部踏み潰してしまった。
畑の番人は慌てて家康の元に向かい、
家康がどれほど怒るかとビクビクしながら報告すると、家康、
「いかにも作左衛門だ。」
と、大笑いしたと言う。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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