大下戸と大上戸☆ | げむおた街道をゆく

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松平信綱は大下戸であった。対して土井利勝は大上戸であった。
 

信綱は、

「天下の老中でありながら酒を飲むなど…。」

と心の中で誹った。

ある日、老中たちが神田橋を通った時、

一人の酔っ払いが、ヨロヨロとみっともなく歩いていた。

これを見て、

「良い機会だ。利勝を困らせよう。」

と思った信綱は、
「大炊殿大炊殿、向こうを御覧なされませい、見事な伊達歩みですぞ。」
と言った。

すると利勝は、

「伊豆殿、御嗜みなさい。下戸が酒に酔うことほど、見苦しいことはありません。」

と返したので流石の信綱も返答できずに、困ってしまった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 公正さを重んじる、土井利勝

 

 

 

ごきげんよう!