これは天下泰平の兆し☆ | げむおた街道をゆく

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寛永9年(1632)、肥後加藤家の改易がほぼ決まり、

諸侯の間で後釜が取り沙汰される中、
ある噂を聞いた将軍家光は激怒し、土井利勝以下の老中全員を招集した。

「余の近習が申すに、世間では『肥後国は細川が拝領』という話が主流になっておるとか。
このことは、その方ども老中と余のみで決議した機密のはず。
誰じゃ!うぬらの内、誰が漏らしたのじゃ!」

「いや、これは天下泰平の兆し。重畳、重畳!」
「何と利勝、何を申すか?!」

「我らの誰が機密を漏らしましょう?

それは天に誓って、決まり切ったること。
さて、良きご政道とは上下相和するものにて、これに当たらざれば下の者は必ず背き、
これに順ずる仕置であれば、ご威光が直接届かぬ者まで悦び、心が通ずるもの。

しかるに今度の件は、上様の思し召しと天下諸人の考えが一致し、

もはや事の厳なること、まさに上下相和すると言うべし。
さてこそ上様の御世も長久、天下泰平の兆しと存じ奉る。」

家光もそういうものかと納得し、無事に肥後には細川家が転封された。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 公正さを重んじる、土井利勝

 

 

 

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