鳥居元忠の妻と言えば、ご存知の通り武田信玄に仕えた鬼美濃こと、馬場信春の娘である。
さて、徳川家康が鳥居元忠に伏見城の留守居をまかせ、
上杉征伐のため関東に下った頃の事、
この妻は、自分の夫が籠る伏見城の図面を見て、このように言った。
「この城は、松の丸が横からの攻撃に弱い構造になっています。
もし城が落ちるとすれば、この松の丸からでしょう。」
果たして伏見落城の折、最初に攻略されたのは松の丸であった。
これに世の人々、
「馬場美濃といえば城割の名人として有名であったが、
その娘でさえもこれほどとは、血は争えぬものである。」
と、大いに感嘆したそうである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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