関ヶ原直前の上杉攻めへ向かう徳川家康は伏見城へ寄った。
ここは、鳥居元忠が守将であったが、
今回はちょっとどころか、とんでもなくいつもと異なっていた。
そう、家康が伏見へ立ち寄ったのは・・・。
鳥居元忠へ、死守命令を下すためであったのだ。
しかも確実に死ぬ命令を。
さて、伏見城で鳥居と対面した家康は、命令を下してから鳥居に言った。
家康、「伏見の城兵は少ない。必要な兵数と武器弾薬は置いていく、申してみよ。」
鳥居、「殿。今はお家にとって兵も武器も弾薬も必要なとき。殿が多くお持ちください。
伏見は現在の手勢で守ります。」
こうして、鳥居は少ない手勢で大きな伏見城を守る事になった。
家康がしつこく聞いても断ったからである。
その夜、家康と鳥居は夜遅くまで談笑した。
家康人質時代からのつき合いである。
つもる話もあっただろう。
これが2人の最後の別れとなった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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