この吟味を、三四郎に☆ | げむおた街道をゆく

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酒井忠勝様から伊達政宗様へ送られた書状を右筆が封じ違えており、

他へ送る書状であったため政宗様は添え書きをなされお返しになった。
 

忠勝様は立腹され、役人を召し、

「すぐに吟味するように。右筆の糾明は北条三四郎に申し付けるように。」

とお命じになり、この書状を居間に置かれてご登城になった。
 

三四郎は筆跡を吟味する体を装いこの書状を焼却した。
ご退出の後忠勝様は吟味の様子をお尋ねになった。
三四郎は、

「筆跡の吟味をすれば筆者が誰か分かるでしょうが、

(右筆のミスは)誤ってのことなので無益の吟味だと思い、書状は焼却しました。」

と申し上げた。
 

忠勝様は、

「軽率なことだ。しかしあの書状がないのなら吟味する手がかりもない。」

と仰って事が済んだ。
 

この筆跡の吟味を三四郎に仰せつけられたのは、

お考えがあってのことに違いないとご家中は感心した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 名臣第一、酒井忠勝

 

 

 

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