青山忠俊は、人の名前をすぐに憶えるという特技があった。
小身の者でさえ一度会えば憶えてしまい、
ちょっと会ったときに名前を呼ぶので、
皆が忠俊に親しんだ。
*「どうしてそんなに名前を憶えられるのですか。なにか秘訣でも?」
忠俊、「頑張って憶えるだけですよ。」
*「しかし、いくらなんでもコツぐらいあるでしょう?」
忠俊、「そうですね…あえて言えば底意地の問題でしょうか。」
*「???」
忠俊、
「あなたは大名や大身の方々の名前ならすぐに憶えてしまうでしょう。
なのに小身の名前が憶えられないのは、彼らを歯牙にもかけていないからです。
私はどんな身分でも同じ人間だと思うので、すぐに憶えられるのですよ。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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