『すべて、孝心無くては、物事は先行しない』、
と申すこと、天理の自然が尊く恐ろしいことである。
家光公の代に、本丸に東照宮を建立されたとき、
大御所様(秀忠公)の御目障りにならぬように、甚だ小さい祠になさったことは、
家光公の家督相続は、ひとえに権現様のおかげなので、
格別に御崇敬なされたといえども、また父君へ御遠慮からのことであり、
もっともな孝心であります。
勿論、秀忠公も、至って孝心を持っているが、
本丸に御宮を勧請なさることはなかったので、
家光公は孫君ゆえ、父君へ御沙汰が無いようにと、配慮なされましたとのことであります。
その東照宮は、後に紅葉山へ遷座されました。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!