名誉の一徹者☆ | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

大久保彦左衛門(忠教)は、名誉の一徹者である。

大坂御一戦の時は御槍奉行であるが、後に御旗奉行となった。

ある時、牢人の某がやって来て申すには、

「このように御静謐の御代ならば、何も得るところなく病死仕ることだろう。

天晴にも具足を肩に掛けて討死仕りたい。」

と、彦左が気に入って、「愛い奴」と言われようと思って申したのである。

彦左は曰く、

「まことに左様に存ずるのか。」

と申されて、某は、

「実に左様の心底。」

と申した。
 

その時に彦左は曰く、

「それが本当ならば日本一の不届き者なり!

何故かと言えば、この御静謐の御代に其の方などが具足を着るということは、

まず乱国でなければありえないことである! 

代乱れるは一揆か逆心か、左様なことがあって其の方が、
具足を着るような如何程の功名があろうとも、(その恩賞は)3百石か5百石である!

其の方は自分1人が5百石の立身を仕りたいがために天下の乱れを好んでいる! 

公方様に難しきことを願い申す心底、さてさて不届き千万なり! 

左様に本当に存ずるならば只今腹を切れ! 是非とも切れ!」

と白眼付けて(怒った目で睨み付けて)言われ、某はコソコソと逃尻仕ったのだという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 三河物語、大久保忠教

 

 

 

ごきげんよう!