鞘は、切ることができた☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

彦左衛門は、3尺6寸もある長い刀をいつも差しており、

江戸城でもお構いなしにそのまま歩き回ったものだから、
刀の先が周りの人に良くぶつかり、みんな大迷惑だった。

そこである同僚が、彦左衛門に忠告。
「あなたの刀は長すぎて、みんなの立ち振る舞いの邪魔になる。

短くしてもらえないだろうか。」
 

彦左衛門、
「よろしうござる。」

とあっさりうなずいた。

ところが翌日登城した彦左衛門の格好にみんなびっくり。
鞘こそ6寸ほど短くなっていたが、刀の長さはそのままで、
刀の先がむき出しになっていたものだから、
彦左衛門が動くたび、周りの人の服や畳が切れ、物騒でしょうがない。

困った同僚が、なぜそんなこしらえにしたのか尋ねたところ、
彦左衛門、
「昨日のあなたの忠告を受け、短い刀にしようと思ったが、

わしは小身者なので新しく刀を買うことができぬ。
そこでこの刀を短くしようとし、鞘は切ることができた。

しかし刀身は鋼のため、
わしにはどうしようもなかったのじゃ。」

同僚たちも頭を抱え、藪をつついて蛇が出たと嘆きあった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 三河物語、大久保忠教

 

 

 

ごきげんよう!