駿河にて、徳川家康が☆ | げむおた街道をゆく

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駿河にて徳川家康が、大久保彦左衛門と久々に会ったので、

四方山話を始めたことがあった。

「関ヶ原の戦の後は世も静謐になった。
まことに、わしにとってあの戦は死生の分け目であった。

我が方は挟み撃ちにされそうになったが、

敵は一戦に打ち負けて、
右往左往に逃げる有様は見苦しいものだったな。

それに比べて我が方は命を惜しまず、功を争わずまことに潔いではないか。
のう彦左衛門よ?」

(なっげえ話だなあ)

彦左衛門は、長話にうんざりして帰りたくなった。

「なるほど一溜りに敗北とは見苦しいですね。

しかし上様が小山に御着陣の折、伏見より上方が敵だらけになったとの報があった時は、

上様の御顔も真っ青になり、

諸将も妻子を取られたと聞いて顔を青くしておりましたが、

太平となり青い御顔も元通りになられたようですから、

まことに御運強くめでたいことです。」

嫌味を言われた家康であったが笑って、

「彦左衛門はやく休め。」

と言って彦左衛門を下がらせた。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 三河物語、大久保忠教

 

 

 

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