しかしながら、忠輝卿は☆ | げむおた街道をゆく

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ある時、紀伊頼宣卿(徳川頼宣)が、

忠輝卿(松平忠輝)を御招きになり、
饗応があった折、いかなる故にか、忠輝卿はとにかく機嫌が悪かった。

頼宣卿は、心配なさって、自ら盃を進めるなどしなさったが、

忠輝卿は、酒も飲みなさらなかった。

 

ところが、頼宣卿が用事あって、

正木小源太という小姓を呼び寄せなさると、

忠輝卿は、その小姓・小源太を御覧になられて、

頼宣卿に所望なさった。

 

これに早速、頼宣卿の御承知があったので、

それより忠輝卿は大いに機嫌が良くなり、

興に乗じて、側に有り合わせた大砂鉢を取り寄せ、

酒をなみなみと注がせて、

2度まで飲みなさったという。

この小源太は、後年に忠輝卿が、将軍家(徳川秀忠)の御不審を蒙り、

条々の御咎めがあった時に、忠輝卿に切腹を勧め奉ったのだが、

忠輝卿は仰せになり、

「命さえあれば、身はいかようになり行くとも、また面白きこともあるだろう。」

として、切腹仕りなさらなかった。

しかし、小源太は強く切腹を勧めて、

「私が、御先を供に仕らん!」

と言って、忠輝卿の眼前で切腹して相果てた。

 

しかしながら、忠輝卿は、切腹仕りなさらなかったので、小源太は犬死になった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 面貌怪異、松平忠輝

 

 

 

ごきげんよう!