徳川家康がいよいよ寿命が尽きる、と言う時に、
何人かの大名を一人一人枕元に呼ぶ、
って事があって、前田利常もその場に呼ばれた。
そこで病床の大御所、徳川家康は、
利常を顔近くまで寄せて、こうささやいた。
「お前だけは殺そうと思っていた。」
青ざめる利常に、
「利常殿、わしはお主を信用できず、何度も殺そうと思っていた。
だがそのたびに秀忠が反対した。
利常殿は信頼できる方です。
かの者を殺してはなりませぬ!と。
秀忠があまりにそう言うので、わしも、お主を殺す事をあきらめた。
つまり、秀忠はお主の命の恩人じゃ。この秀忠の恩、忘れるなよ。」
そう言って、下がらせた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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