如何に直江隊を足止めするか☆ | げむおた街道をゆく

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慶長5(1600)年9月13日、

畑谷城を落とした直江兼続は、山形盆地へ向け進軍。

14日に富神山を抜け、
菅沢の丘に現れると早速長谷堂城を攻めた。

長谷堂には最上方の守将志村光安と増援の鮭延秀綱が兵1200~1300ほどで詰めていた。

鮭延秀綱、

「お出で早々に攻めて来るとは上杉ん奴腹め、調子に乗りやがって!」

志村光安、

「人馬で菅沢が埋まり、山の裾野まで陣が張り出してますな。

どんだけの軍兵を連れて来てんだ。」

秀綱、

「いっそ夜襲を掛けてやりますか?

まさか初っ端から大軍の上杉に寡兵の吾等が攻めるとは思いますまいに。」

光安、

「秀綱殿、殿(最上義光)の命令では、

『安易に討って出る事を自重し、なにがあっても城を守れ。』

が命令だったのでは?」

秀綱、

「200くらいの兵をお貸し頂ければ私がやって来ます。

夜襲の成否に関わらず、上杉の目をしばらくは、
長谷堂に引き付ける事は出来るでしょう。」

光安、

「これは尤もな策でありますな。

では一撃だけを食らわし、深追いはなされないと約束くだされ。
それとくれぐれも慎重に。」

その夜、鮭延隊は闇に紛れて奇襲を掛け、上杉兵百以上の首級を挙げて凱旋した。

秀綱、

「ご覧の通り、まずは重畳。」

光安、

「これで怒り狂った上杉兵は、長谷堂を意地でも落としたくなるでしょう。」

翌日上杉方の春日元忠の隊が再び長谷堂城を攻めた。

光安、

「寄せて寄せて、畠の畔(あぜ)を越えて来たら射かけよ。

さすれば外れ矢玉少なく、敵を数多く討ち取れようぞ。」

城に近付いた春日隊を数百の鉄砲と弓が釣瓶撃ちに襲い、

上杉軍にはまた多くの被害が出た。

直江兼続、

「篭城されたままでは厄介だ。野戦に持ち込み殲滅しよう。」

上杉兵は弓や鉄砲の射程外で苅田狼藉をはじめた。

長谷堂城兵、

「ぐぬぬ…わしらの田が…稲が…。」

血気盛んな若い兵らが光安に出陣を願ったが、光安は兵らを宥(なだ)めて言った。

志村光安、

「吾等の役目は如何に直江隊を足止めするかである。」

光安は筆を取ると矢文を拵え、弓の得意な者に上杉兵へ向けて射掛けさせた。

兼続、

「これがその矢文か。」

上杉兵、

「は。」

兼続が矢文のこよりを解くと、紙にはただ二文字「笑止」とだけ書かれていた。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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