天文20年(1551)3月14日、京の勢州(伊勢伊勢守貞孝)の邸宅に、
三筑(三好筑前守)長慶を招いての酒宴が行われた。
酒も半ばというところで、公方衆の進士九郎という人物が突然刀を抜き、
長慶に向かって二刀まで突いたが、長慶はとっさにこれを避け無事であった。
暗殺に失敗した進士九郎は、たちまちその場で自害して果てた。
この報が聞こえると、京も田舎も、仰天する他言葉も無い有り様であった。
この事件について、朽木に逃れていた御所様(将軍義輝)が仰せ付けたものであるとも、
また所領を失った恨みからであるとも、この両説が言われた。
勢州はせっかくの、入魂の接待の場でこのようなことが起こり、
もうどうしようもないといった様子であった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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