姉川の戦いの時。
“北国無双”と聞こえし勇士・真柄直隆父子は、
両人とも衆人に抜きん出て働いた。
直隆は向坂式部と渡り合い、
草摺の外れを一槍付かれながらも式部の兜の吹返を打ち砕き、
あまる太刀で槍を打ち落とした。
式部の弟・五郎次郎が助けに来たが、
直隆はその太刀を打ち落とし、
あまる太刀で五郎次郎の弓手の股を薙ぎ据えた。
その弟・六郎五郎吉政が進んで来る。
六郎五郎の従者・山田宗六が、我が主人を討たせぬと進むと、
直隆は宗六を手の下に切り伏せた。
その間に、六郎五郎は直隆を掛け倒して首を取った。
直隆の嫡子・隆基は、
青木加賀右衛門(重直)の子・所右衛門一重と戦う。
所右衛門の郎等1人が掛け塞がったところを、
隆基は郎等が太刀を上げるよりも早く首を打ち落としたが、
所右衛門は鎌槍で隆基の馬手の肘を薙ぎ落とした。
その間に朝倉孫三郎(景健)は危うき命を助かり、
虎御前山まで引き取ったのである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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