天正13年(1585)、佐々成政は、秀吉自身が出馬した越中平定作戦により、遂に降伏した。
そして秀吉のもとに、供の者十人ばかりを連れただけで、
秀吉を主君として、初めての出仕をすることとなった。
この時、成政は秀吉のもとに向かう途中、前田利家の陣の前を通った。
すると前田家の者たち、成政に向かって一斉に、どうと笑い出したのだ。
言うまでもなく、
「笑われる」
というのは、この時代の武士にとって最大の侮辱である。
賤ヶ岳以降、成政と争い続けていた前田家の者たちは、
ここぞとばかり降服した成政を嘲笑したのだ。
しかしこの侮辱に、少数の供を連れただけの成政は何もできず、
屈辱に耐え、笑われるがままに、その前を通り、秀吉の元へと向かったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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