加藤嘉明のところで、大名たちが会議したことがあった。
この時、大名の金森某が途中で席を離れた。
その後、金森が離れている間に、織田某が金森の席に座ってしまった。
用を済ませて戻ってきた金森は、自分の席に織田が座っているのを目にした。
「何故あんたが、俺の席に座っているんだ!」
怒った金森は織田と喧嘩し始めた。
これを見た嘉明は間に入り、金森を別の席に案内してこう言った。
「席のことで争うなんて無益なことです。
金森さん、あなたが何処に座っていようと、
皆があなたを尊敬しているんですよ。」
嘉明に諭されて恥ずかしくなった金森は織田に謝罪した。
「いや、私こそ知らなかったとはいえ悪いことをしました。」
織田も悪いと思っていたのか金森に謝った。
嘉明のおかげで二人の関係はこじれずに済んだ。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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