加藤嘉明の重臣である藪与左衛門は、故あって閉門に処された。
嘉明は密かに侍臣を遣わして、その状況を見てこさせた。
帰ってきた侍臣は、大体の状況を述べた。
次に、来会していた人名を告げようとすると、嘉明はこれを制して曰く、
「その氏名を聞く必要はない。友人に善き者は、主人にもまた忠なる者だ。」
と言った。
来会した人々はこれを伝え聞いて、嘉明の仁徳雅量に感動し、
それ以来、大いに謹慎して、かつ忠勤を尽くしたということである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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