一日に三回までの失言は、許しなさい☆ | げむおた街道をゆく

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加藤嘉明は、府中屋念斎夫妻と仲が良かった。

念斎は財産家でいわゆる御用商人である。

念斎は嘉明の頼みに応じて、松山市街創設の際に町家の地割を行い、その経営に尽力した。
また、独力で濠を堀り、これを念斎堀と称した。

この念斎はそそっかしい性質で失言することが多かった。

妻はこれをとても憂慮して、
嘉明に夫の性質を正してほしいと求めた。

これに嘉明は、

「不覚は大事というわけではないから、それほど気にとめなくともよい。
一日に三回までの失言は許しなさい。それ以上の時は注意しなさい。」

と答書してその末に歌を附した。

「六十にあまりしまでのねんさいを、いまさらしめすつまのやさしさ」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 沈勇の士、加藤嘉明

 

 

 

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