永見新右衛門の処分☆ | げむおた街道をゆく

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大坂夏の陣において永見新右衛門は、衆目を驚かす活躍を見せた。

しかしそれは抜け駆け等、軍令違反を重ねてのものであり、

軍法に照らし合わせた結果、新右衛門には切腹が命じられることになった。

そんな時、新右衛門の実父である今村彦兵衛が、首級を持って戦功の報告に現れた。
これを聞きつけた本多佐渡守正信は、急いで彦兵衛のもとに駆け寄った。

「でかした、彦兵衛どの! 実は、これこれ、こういう事になっておる。

どうじゃ、その戦功に換えて、
上様(徳川秀忠)にお願いする儀があろうが。ん?」


「急に言われても、申し様がございませぬ。

ましてや、一たび他家へ養子に出した子の事など。」

「ええいッ、頭の固い・・・!」
そこで正信は花籠を取り寄せると、彦兵衛の持って来た首を入れて派手に飾り立て、

秀忠の首実検に及んだ。

「やっ、立派な首ではないか。これは誰の取った首だ?」
「今村彦兵衛が上げたる首にございます。」
「なに、彦兵衛の?・・・よし、彦兵衛を呼べ。」

御前にまかり出た彦兵衛に、秀忠は諭すように言った。

「おお、彦兵衛よ。若い者が功に逸り、色々致すは当然のことだが、

老年のお前がこのように功を誇るは無用のことに思うぞ。以後、自重せよ。」

横で聞いていた正信は、この時とばかりに飛び出した。

「聞いたな、彦兵衛どの?

『若い者が功に逸り、色々致すは当然。』

との仰せじゃ。

つまり、抜け駆けした新右衛門も、当然の行いゆえ御免、との思し召しよ。

何をしておる、早く御礼を申し上げぬか。」
 

「!・・・上様、ご厚情のほど、深く御礼申し上げまする!」

「佐渡め。」
言葉尻をとらえられた形の秀忠だったが、二人をとがめるような事はせず、

苦笑して席を立つのみだった。

その後、新右衛門は謹慎を命じられたが、謹慎が解かれると加増を受けたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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ごきげんよう!