本多正信が『本佐録』にて、徳川秀忠へ言上したこと。
「ひとたび臣下となった者は、昼夜となく主君に忠節を尽くすことばかり考えています。
大事に望んでは、一命を捨てて働く覚悟、毛頭偽りなきところです。
ただしこれは、己が生きている間、そして妻子や一族一党を養ってもらう代わりなのです。
ですから、たとえ敗軍の時でも、諸将が枕を並べて討死してくれるよう、
情けをもって部下に接しなくてはなりませんぞ。
まるで仇のごとく、高圧的に扱っていれば、部下は恨みを忘れません。
敗軍となればたちまち主に背き、それどころか敵に突き出すことも厭わぬでしょう。
敵より恐ろしきは味方なのです。」
なんとも重みのある正信の説教。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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