家康は、烈火のごとく怒った☆ | げむおた街道をゆく

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大御所・家康が、相模と武蔵の国境の狩場で鷹狩りを行なった時のこと。

家康は、鳥もちを塗った縄が張ってあるのを発見した。

家康自身には、そんな事を命じた覚えは、とんと無い。
「?・・・誰がこんな事を命じた?」
「はっ、青山忠成さま、内藤清成さまの命にございます。」

聞いた家康は、烈火のごとく怒った。
「わが御留場で、何を勝手な事を許している?

将軍(秀忠)は、この事知っておるのかっ!」

家康の言葉を伝え聞いた秀忠は、悩んだ。

父の怒りを思えば、忠成・清成の切腹も止む無しか。
かと言って、幼少より仕えてくれた二人を、こんな事で死なせるのも忍びない。

「・・・と言うわけで爺、頼む。」
「やれやれ。ワシゃ、いつになったら楽隠居できるんですかのぅ。」

などと言いつつも本多佐渡守正信は、
いそいそと駿府の家康のもとに向かった。

「なんだ佐渡! 将軍に何ぞ言われて来よったか?」
「いいえ、大御所様。実は、こちらで使っていただけぬかと思い、参りました。」
「なんじゃと? お前、将軍に重用されておろうが?」

「いいえ! こたびの内藤・青山の件、上様には両人に腹切らしめんとの思し召し。

日ごろ上様の側近くにて職務に励みし両人でさえ切腹とあらば、

年老いた身の私など、いささかの過失でも上様の誅罰に会いましょう。
この上は、江戸を去り駿府で大御所様に仕え、この白髪首つなぎとうござる。」

「そうか。秀忠はそこまで、わしの言葉を大事にするか。

そこまで厳しく物事を命じておるか。
さぞや将軍として、威厳も増して来ておろう。」

機嫌の良くなった家康は態度を軟化させ、

忠成・清成はしばらく閉門を命じられた後に許されたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 狸寝入り、本多正信

 

 

 

ごきげんよう!